矯正医選びのプロ視点③治療方法が複数ある
複数の治療方法に対応できる矯正歯科
これまで①CT・セファロレントゲンによる精密な診断がある②矯正医の勤務日数が多いとご説明して参りました。3つ目のポイントは「複数の治療方法に対応できる矯正歯科」になります。
当院に関わらず、矯正治療を始める上で、最も大事なのは精密検査・分析によって立てられた治療方針をもとに、装置を選択していくことです。
また長期間にわたる矯正治療の中では、予想を超える成長や、患者さまの協力度等によって状況が変化することがありますので、その都度計画を修正し、対応する必要があります。
例えば、透明のマウスピース矯正中に予定外の歯牙の動きが生じ、マウスピース矯正ではリカバリーが難しくなることがあります。
そういった場合、ワイヤー矯正で修正するといった代替案が必要となります。矯正治療を始める際は、そういった点も担当医に確認しておくと安心かもしれません。
実は「マウスピース矯正は対応していない」「インビザライン(マウスピース矯正で最多)しか扱っていない」「小児矯正しかやらない」という歯医者さんは珍しくありません。
当院では、次のような矯正治療に対応しています。
①小児矯正治療
一般的に3歳~12歳までが適応年齢。
小児期においては歯を配列することが主目的ではなく、歯を並べるための土台。つまり顎の骨の正常な発育を促し、整えることが重要です。
上顎、下顎が小さすぎる・大きすぎるといったアンバランスがある場合、顎の骨の成長発育に作用する装置を使用します。
すでに出っ歯、受け口、八重歯といった症状が出ているお子さんは当然のことながら、現状問題がないようでも将来的にそういった問題が生じるかを検査・分析によって予測し、成長にあわせて必要な装置を選択していきます。
また機能の改善も重要です。矯正治療が必要となる方の多くに舌や口周囲の筋力のアンバランスがみられます。トレーニングにより舌や口周囲の筋力を鍛え、正しい舌の位置や嚥下の方法を獲得してもらいます。
これによりお口ぽかんといった症状や、歯並びを悪くしている舌癖を改善します。また、つめ噛みや指しゃぶりといった癖も治すよう指導させて頂きます。このように、形態を整え機能を改善することにより、将来的に永久歯をきれいに並べる前準備をしていきます。
小児矯正治療の装置は多岐にわたりますが、当院では大きく分けて2種類あります。
①骨格を整える治療
取り外し式ものや、口腔内固定式のもの等、様々な種類があります。
②インビザラインファースト
骨格の問題が解決・またはもともとなく、歯列の改善が小児期から可能な場合に選択できる小児用マウスピース矯正装置。透明で目立ちづらく、食べるものの制限はありません。しかし、1日20時間の使用が必須のため、お子さんが管理できるかどうかが重要なポイントとなります。
小児矯正治療は症状、年齢によって様々となりますので、気になることがある場合は、まず矯正医にご相談ください。
成人矯正
永久歯列となり、ある程度成長発育が終了した時点からの治療をお勧めしています。歯と顎の骨に問題がなければ、何歳でも可能です。
当院ではワイヤー矯正と、透明のマウスピース矯正、その二つを併用する矯正を行っております。
それぞれ、得意・不得意とする動きがあるため、患者さまの症状・ご希望によって治療方法を検討します。
①ワイヤー矯正
最も適応症例が広い治療法です。特に抜歯を伴う、歯の移動量が多い治療においては、ワイヤー矯正が優れている傾向にあります。
ワイヤーはシルバーのものと、目立ちづらいホワイトのものを選択いただけます。来院回数は月1回。診療時間は30~60分。食べる物に関しては、硬い・粘着質・繊維質のものは装置故障の原因となりますので、避けて頂く必要があります。
また装置の脱離によって、ワイヤーが歯肉に刺さるなど痛みを伴うトラブルが生じることがあります。
②インビザライン等のマウスピース矯正
適応症例が限られます。軽度のガタガタや開咬とよばれる歯が噛みあっていない症例では、ワイヤー矯正より適している場合があります。
来院回数は2~3カ月に1回。診療時間は15~45分。食事・歯磨きの時以外1日20時間以上の使用が必要。食事の際は外せるので、食べるものに制限はありません。
付属品が脱離することはありますが、痛みを伴うトラブルが起きることはほぼありません。1日20時間以上の使用が必須なので、ご本人が管理できない場合はワイヤー矯正をお勧めします。
③ワイヤーとマウスピースの併用
マウスピース矯正をご希望されていても、症状や治療計画によっては、マウスピースのみでは改善が難しい場合があります。
特に上下顎の抜歯を伴う治療の場合、マウスピース矯正単独では非効率になり、仕上がりに問題が生じることもあります。
マウスピース矯正が不得意とする動きをワイヤーで行い、マウスピース矯正で仕上げをしていきます。どちらの装置から開始するかはケースバイケースで、検査の結果で決定します。
総合的な診断に基づいて、その方にあった矯正治療を提案でき、様々な変化に対応できるかが鍵になります。
ご自身、またはお子様が矯正治療適応なのか、またどのような装置が考えられるのか、ご興味がある場合は矯正無料相談(初回のみ無料)がありますので、お気軽にお問合せ下さい。