睡眠時無呼吸症候群について

投稿日:2018年8月24日

カテゴリ:スタッフブログ

歯科医師の須藤です。
今回は睡眠時無呼吸症候群についてお話ししたいと思います。

睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)とは、睡眠時に
断続的に無呼吸を繰り返し、その結果日中の眠気などの種々の
症状を呈する疾患で、いびきをかく男性や肥満傾向の人に多いと
されています。

無呼吸症候群はその頭文字をとってSASと略されます。
無呼吸が1時間に5回以上または7時間の睡眠中に30回以上ある方は
睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

我が国のSASの推定有病率は全人口の0.5%〜2%、およそ200万人と
考えられています。SASは呼吸そのものが停止して無呼吸となる
中枢型と無呼吸発作中も呼吸努力が認められる閉塞性型(OSAS)、
及び両者の混合型に分けられますが、これは、病因による分類ではなく、
あくまでもポリグラフ上の鼻腔口腔気流と胸腹壁運動との関係から
分けられた病型で、中枢型は気流とともに胸腹壁運動も停止する
タイプであり、閉塞型は胸腹壁呼吸運動を行っているが鼻腔口腔気流が
停止している状態で、臨床的には9割以上が閉塞性であり、我々歯科医師
が扱うものも閉塞性に限られます。

治療方法としては、生活習慣の改善・内科的治療・外科的治療などが
ありますが、歯科ではスリープスプリント(SS)といわれるマウスピースを
使用するのが一般的になります。
下顎を前方に位置付けることによって下顎が引き上げられて舌が前方に
挙上され、さらに軟口蓋後方の気道も拡大され、空気の通りが確保されます。

スリープスプリントの治療効果に関してAI(1時間あたりの無呼吸数)の
重症度に関係なく、9割の患者でAlの20%以上の改善率、7割の患者で
AIの50%以上の改善率が認められるとされています。またいびきに関しては
9割の患者が全くかかなくなるか以前より改善される傾向にあります。

スリープスプリント装着により悪化するースもあるため術後の検査も
重要となりますが、SASの治療法としては有効と考えられます。
もし、日中の眠気、ご家族からの就寝中の無呼吸の指摘を受けられた方は
まず内科の受診され、SASの検査を受けてみて下さい。

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