歯の根元見えてませんか?

投稿日:2021年9月3日

カテゴリ:スタッフブログ

こんにちは。歯科衛生士の江崎です。
9月に入り、暑い日が続くかなと思いきや、雨が続きひんやりしますね。
気温差があり体調を崩さないように気をつけないといけないですね。

今回は根面う蝕(こんめんうしょく)についてお話します。
根面う蝕とは根面(歯の根)の虫歯のことです。

根面は本来は歯茎に覆われて見えない部分ですが、年齢によるものや
歯周病の進行によって歯茎が下がり、露出してきます。
みなさんの歯の根元はいかがでしょうか?

40代くらいから根面う蝕のリスクが増え、年齢が上がるにつれて
リスクは上がっていきます。

歯の頭の部分は表層に硬いエナメル質があり、その中に象牙質が
ありますが、根面は表層に薄いセメント質がありすぐ中に象牙質
がある、という構造です。

セメント質や象牙質は、エナメル質と比べると柔らかい構造に
なっています。
そのため、非常に酸に弱く溶けやすく、虫歯の進行が早いのです。
神経までの距離も根面の方が近いので、根面う蝕になると神経まで
感染してしまうリスクも高まります。

また、酸によって溶け始めるpH(臨界pH)を比較すると、エナメル質は
pH5.5から溶け始めるのに対し、セメント質や象牙質はpH6.2程度と、
より中性に近い状態から溶け始めてしまいます。

根面う蝕のリスクを高める要因として唾液の減少もあります。
唾液には緩衝作用(酸を中和する作用)、再石灰化作用(溶け出した
カルシウムやリンを歯に戻す作用)があり、虫歯から守ってくれる
役割がありますが、年齢を重ねたり薬の副作用などで唾液の減少が
起こることがあります。
そうするとよりしっかりとしたケアが必要になってきます。

根面う蝕にならないためには、丁寧なブラッシングが大切ですが、
フッ素が高濃度に入った歯磨き剤を使い、根元に行き渡るように
使うと効果的です。

お口をゆすぎすぎないのも、お口の中にフッ素を残しやすくなります。
それに加え、フッ素の洗口液を使うとより効果的です。
また、被せ物が入っている歯の根元は、磨きにくく二次的に根面う蝕に
なりやすい場所ですので、お手入れが大切です。

今は根面が見えていなくても、今後歯周病が進むと露出してきて、
根面う蝕のリスクが出てきます。
根面が虫歯にならない環境をつくるには、歯周病の予防を続け、
歯茎を下げないことが大切ですね。

戸田公園 予防歯科を中心に、審美、入れ歯、インプラントの先進医療まで
丁寧なカウンセリングを大切にする街の歯医者さん「須藤歯科医院」

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